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  • 執筆者の写真Kiyoyasu Takechi

IB(国際バカロレア)とは - その秘密と強さに迫る -

更新日:2023年10月22日

IB(国際バカロレア)とは、国際バカロレア機構が提供する教育プログラムのことを指します。世界中の大学がIBでの得点を出願材料として認めていることからも、IBプログラムの高い認知度と教育の質が明らかかと思います。実際に私も高校時代にIBプログラムを履修した経験があり、その際の体験も踏まえて、皆様に情報を共有できたらと考えています。


IBでは、一般的に6つの教科を履修します。6つの教科は、6つの学問領域から成るものです。下の画像のように、カテゴリー1 (言語と文学)、カテゴリー2 (言語の習得)、

カテゴリー3 (社会科学)、カテゴリー4 (自然科学)、カテゴリー5 (数学)、カテゴリー6(芸術)があります。


基本的には、これらの6つの学問領域から1つずつ科目を選び、履修することになります。但し、カテゴリー6の学問領域に関しては、芸術科目を履修しなければいけないというルールは無く、他の学問領域に置き換えることが可能です(例えば、カテゴリー6のvisual artを専攻する代わりに、カテゴリー4の化学を専攻するなど)。


6つの科目を選び終わると、それらの科目をHL、SLに分類します。HL(Higher Level)とは多くの学習時間を費やし、より深く学ぶ学習科目のことです。基本的には大学で専攻する学問分野との関わりが深い科目、もしくは興味のある科目をこのHLレベルで履修することが多いです。実際には医学部進学を目標としている生徒だと、化学や生物、数学をHLで学習することを大学側から求められることがあり、これらの科目を履修する場合があります。SL(Standard Level)とは、HLと比べて少ない学習時間で勉強する学問科目になります。これらの情報を鑑みると、さほど他の学習プログラムと変わり無いように思えますが、履修科目以外の点がIBを特殊なプログラムにしているのです。


IBでは6つの基礎科目に加えて、"TOK (Theory of Knowledge)"といった哲学の授業を受講することが義務付けられています。TOKでは、物事を考える際に重要な理論的フレームワークを学び、批判的思考を養います。


また、EE(Extended Essay)といった学術論文を執筆することも求められます。4000字にも及ぶ論文を英語で執筆します。執筆する論文の内容は、自分で決めることができます。興味のある学問領域から選び、実験や考察などを通して思考力を高めます。日本語の文学や言語についての論文を書き上げることも可能です。その場合には、日本語で8000字の学術論文を完成させることになります。


最後にCAS(Creativity, Activity, Service) Projectといった課外活動を行う必要があります。創造的、能動的、そして社会貢献に関するプロジェクトを行わなければいけません。このCASプロジェクトでは、自発的にプロジェクトを立ち上げ、実行する力が身につきます。自身の将来について考える機会にもなり、成長することができます。6つの基本教科と3つの外部的要素を加えて、IBプログラムが成立します。


最後に、私のIBプログラムに対する率直な感想を記したいと思います。IBプログラムは創造性を高める上で、非常に有効なプログラムであったと実感しています。私は小学生時代に図画工作や音楽の授業での創造性が欠落しており、成績表では「もうすこし」に分類されることがよくありました。IBでは物事の良し悪しを一つの観点から断定するのではなく、多角的な視点を用いて、良し悪しを評価します。この信条に重きを置くIBプログラムを履修することによって、未熟だった私に創造力とは「多角的な視点から事象について検討し、一つに集約する」ことだと考えるようになりました。その結果、大学の講義では質問力が評価されたり、執筆した論文で賞を受賞するようになりました。


ただ勿論、IBが完全無欠なプログラムな訳ではありません。IBで良い成績を収めるためには、高度な英語力が求められます。TOEFLにおいて80点を取れる実力があると、IBを履修する上で必要な英語力が備わっていると思います。十分な英語力を保持しないままIBに挑戦すると、必要以上に英語を理解するのに時間がかかってしまい、肝心の内容を理解する時間が取れなくなってしまいます。そうすると、IB試験での点数が低くなってしまい、大学受験の合否に響きます。また、IBに時間を割き過ぎると、出願に必要な他の統一試験のスコア(TOEFL・IELTSなど)の点数を上げるのに時間が掛かってしまいます(日本の大学を受験する場合)。IBは出願に必須な要素では無く、SATなどの統一試験で代替することも可能なため、どの試験形式が最も適しているかを見極める必要があります。








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